自動車整備士試験には「自動車整備士技能検定試験」と「自動車整備士技能登録試験」があります。自動車整備士になるにはどちらを受ければ良いのでしょうか?この記事ではそれぞれの違いや、受験級別の試験内容について詳しくご紹介します。
自動車整備士試験とは?
自動車整備士試験は、国家資格である自動車整備士になるために必須です。
自動車整備士試験の「学科試験」および「実技試験」を受け、合格証交付を受けることで整備士として認められます。
自動車整備士試験は2種類
国土交通大臣の定める自動車整備士試験は、「自動車整備技能登録試験(登録試験)」と「自動車整備技能検定試験(検定試験)」の2種類です。
2つとも試験科目は同じで、どちらの試験に合格しても整備士になれますが、試験を行っている機関や頻度などが異なります。以下で詳しく解説します。
自動車整備技能検定試験は国家試験
「自動車整備士技能検定試験(検定試験)」は、国家機関(国土交通省)が行う自動車整備士試験です。
対象資格は1級~3級自動車整備士と特殊整備士ですが、近年行われているのは、二級シャシ自動車整備士や自動車電気装置整備士などの限られた試験のみとなっています。一度に行われる試験の種目が少ないため、受験数は減少傾向にあります。
自動車整備技能登録試験は民間試験
「自動車整備技能登録試験(登録試験)」は、民間機関(国土交通大臣の登録を受けた機関)が行う自動車整備士試験です。合格科目に対応する「検定試験」が免除される(合格後2年間有効)ので、実質この登録試験のみで整備士資格が取得できます。
ただし、合格後に全免申請と呼ばれる申請をしなければ整備士資格を取得したことにならないので注意しましょう。
検定試験と同じく、1級~3級自動車整備士と特殊整備士が対象資格で、いずれも年2回を基本に行われます。実施は「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連・JASPA)」が請け負っています。現在は、検定試験よりこちらの登録試験を受ける人がほとんどです。
全免申請(両免申請)を忘れずに!
検定試験と登録試験の違いとして、登録試験には合格後に全免申請(両免申請)と呼ばれる申請が必要です。
本来、自動車整備士の資格を得るには国家試験である検定試験で学科・実技試験に合格しなければなりません。そのため、登録試験を受験した場合は、「登録試験の学科・実技試験に合格したので、検定試験の学科・実技試験を全部免除してください」という申請を行わなければ、正式な資格が交付されないのです。
登録試験に合格したら、2年以内に必ず申請しましょう。
自動車整備士の試験内容は?
自動車整備士試験は「学科試験」と「実技試験」の2つがあり、試験内容は受験する級や資格の種類により異なります。
3級~1級の試験は全てマークシート式で、それぞれに試験時間が設けられています。過去問題も公開されていますので、試験と同じ時間で解く練習をしておきましょう。
以下、自動車整備士試験の内容についてそれぞれご紹介します。
3級自動車整備士の試験内容
3級自動車整備士の学科試験内容は、
・材料および燃料油脂の性質・用法に関する初等知識
・整備用の試験機・計量器および工具の構造や機能、取扱い法に関する初等知識
・点検・修理および調整に関する初等知識
・構造・機能および取扱い法に関する初等知識
・保安基準やその他自動車の整備に関する法規
です。
実技試験では、初歩的な修理や分解や組み立てなどの調整、基本工作などが出題されます。3級は学科・実技ともに、基礎的な知識や実技ばかりです。
2級自動車整備士の試験内容
2級自動車整備士の学科試験は、3級で出題される試験内容が初等知識から一般知識へと変わり、加えて図面に関する初等知識も求められます。
実技試験でも、3級より高度な完成検査や一般的な修理、取扱い方法が試されます。
1級自動車整備士の試験内容
1級自動車整備士の学科試験は、3級・2級の試験内容に加えてより高度な取扱い方法を問う問題が多く、口述試験も追加されます。
実技試験は基本的な工作から、本格的な修理や整備、工具の取扱いを求められ、より実践的な内容が出されます。
特殊整備士の試験内容
特殊整備士の学科試験は専門性が問われるため、各資格に該当する機能や取扱い法については1級の試験内容と近い問題が出題されます。
実技試験も、より専門的で実践的な内容が出題されます。
最後に
以上、自動車整備士資格の試験内容と技能検定試験・登録試験の違いについてご紹介しました。この記事を読まれた方は、自動車整備士の勉強方法は?試験の詳細や対策について解説!も一読することをおすすめします。
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