最近の自動車には自動運転機能や運転補助機能が搭載されていることが多くなりました。それらのシステムが装備されている自動車の整備に必要な「自動車特定整備事業(特定整備)」とこれまでの「分解整備」についてご紹介します。
自動車特定整備事業とは?
自動車特定整備事業とは、「特定整備」とも呼ばれています。
従来の「自動車分解整備事業(分解整備)」から名称が変更され、その整備範囲へ自動運転レベル3以上の自動運転を行う自動車に搭載される「自動運行装置」が追加されたものになります。
最近の自動車には「自動運行装置(自動運転システム)」が搭載されているものも珍しくありません。
これらのシステムは「ガラス」や「バンパー」にシステムが装備されていることが多々あります。
これまでの分解整備は「部品の取り外し」を伴う作業を想定されていました。
一方、カメラやレーダーの調整はエーミングの調整作業となる為、分解整備には当たりませんでした。
しかし自動車の安全運転に直結するものであり、これらの装置を含めた整備を行うために「特定整備」に改定されました。
自動運転のレベルについてはこちらの記事をご一読ください。
自動車の自動運転レベルとは?レベルごとの違いとは?
自動車特定整備事業の認証パターンについて
分解整備と同様に特定整備を行うには国から工場へ認証が必要になります。
「特定整備」の認証には下記3パターンがあります。
・「分解整備のみ」を行う
・「電子制御装置整備のみ」を行う
・「分解整備」「電子制御装置整備」両方を行う
分解整備について
従来の分解整備に含まれる項目は下記の7つです。
・原動機(エンジン)
・動力伝達装置(シャフト等)
・走行装置(ロアアーム等)
・かじ取り装置(ロッド等)
・制動装置(ブレーキ等)
・緩衝装置(サスペンション、スプリング等)
・連結装置(キングピン等)
電子制御装置整備
新たに追加された電子制御装置整備に含まれる項目は下記の3つです。
・自動運行装置
・衝突被害軽減制御装置
・自動命令形操舵装置
それに関係する装備として以下が挙げられます。
・カメラ
・各レーダー(ミリ波レーダー、赤外線レーダー)
「電子制御装置整備」の認証基準について
電子制御装置整備について、「設備」と「従業員」の2つの認証基準があります。
設備について
・整備用のスキャンツール
・水平面を確認するための水準器
・整備要領書の点検整備に必要な情報の入手体制(FAINES、自動車メーカーから個別にCD購入)
・電子制御装置典型整備作業場
→既存の分解整備を行う車両整備作業場、点検整備場と兼用可能
→完成検査場とも兼用可能
→[離れた場所にある作業場][ほかの事業者との共有]も可能
従業員について
・従業員2名以上、うち1名は『一級自動車整備士(二輪を除く)』又は『一級二輪自動車整備士、二級自動車整備士、自動車車体整備士若しくは自動車電気装置整備士であって、国が定める講習を受講した者』
・従業員の自動車整備士数の割合が1/4以上であること
最後に
以上、自動車特定整備事業とは?今までの分解整備との違いについてご紹介しました。この記事を読まれた方は、認証工場と指定工場の違いは?整備工場の種類について解説!も一読することをおすすめします。
最後になりましたが、弊社ダイバージェンスでは自動車業界で働きたい「自動車整備士」「自動車検査員」向けの求人情報を多数扱っております。
自動車業界に精通したキャリアアドバイザーが、応募書類の書き方や面接の心構えなど様々な面でのサポートをいたします。未経験可の求人も多数ありますので、他業種からの転職になる方もぜひお気軽にご相談ください。