自動車整備士は厳しい仕事です。それでも自動車整備士を続ける人が多いのには理由があります。自動車整備士の苦労から、いい面・悪い面を検証してみました。
自動車整備士は甘くない仕事!
整備士の仕事は、いくら車が好きでもそれ以上に大変なこともあります。この章では、自動車整備士として働く上で、特につらいこと・苦労することを3つご紹介します。
労働環境が整っていない職場がある
整備士という仕事の性質上、重いものを運ぶことや、狭い場所で作業することが多く、腰を痛めたりケガをすることも少なくありません。また作業場に空調がなかったり、あってもあまり効かない職場も少なくなく、夏場は汗だくで、冬場は寒い思いをしながら作業することもあります。
さらには、自動車整備士は慢性的な人手不足であり、残業の常態化した職場が多いのも事実です。加えて、お客様は土日や祝日に集中するため、暦通りに休めない企業も多いです。
常に勉強する必要がある
車の技術は、日夜進歩しており、整備士も常に知識をアップデートする必要があります。
近年は特に、ハイブリッド車やオートブレーキの普及により、修理の内容が複雑化しています。
また、資格を持っている上で講習を受けなければ修理ができない工程もあり、整備士免許を取得すれば終わり、というわけにはいきません。常に自習が求められ、勉強会や研修への参加も必要な場面が多々出てきます。
お金の面で苦労することも…
自動車整備士の収入事情は、労働時間のことを加味すると余りいいとは言えません。平均年収は300万円~400万円を推移しており、地方にいけばベテランの整備士でも月々の手取りが20万円を切ることも珍しくありません。
車が好きで自動車整備士になったのに、働く場所によっては自分で新しい車が買えない…。そんな悲しい話も耳にします。
自動車整備士のやりがいとは?
この章では、自動車整備士として働く上で、特にやりがいを感じる瞬間についてご紹介します。
お客様からの感謝の言葉
車を整備するということは、必ずその車を持ち込んでくださったお客様がいるということです。故障や不具合といった不良のある状態の車を持ち込んでくるお客様がほとんどですが、場合によっては不安を抱えられているお客様も多くいます。
整備によって、そんなお客様の不安を解消する仕事なので、感謝の気持ちを伝えられる場面が多々あるでしょう。
整備や修理が完了した際の達成感
整備という仕事は、故障を直す場合でも未然に故障を防ぐ場合でも、車をよりよい状態にする仕事です。不具合の原因を特定したり、トラブルを解決するのは決して簡単なことではありません。学校で習ったことや、マニュアル通りの知識だけでは解決できないことも多々あります。
そんなときに、自らの腕と経験で難しい整備や修理を達成できれば、何物にも替えがたい達成感を得られるでしょう。
スキルが給与に直結
整備工場によっては、点検・修理した車の数に応じてインセンティブやボーナスが発生するところもあります。
また、資格を取ったり、講習を受けることにより手当がつく職場も多いです。
他業種に比べ、資格や経験等の努力が給与や待遇に直結しやすい職種なので、努力のし甲斐があります。
自動車整備士は売り手市場!
収入が増えているって本当?
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
カーディーラー以外 | 358万円 | 362万円 | 365万円 | 367万円 | 370万円 | 385万円 |
カーディーラー | 466万円 | 461万円 | 466万円 | 468万円 | 481万円 | 490万円 |
(引用:自動車分解整備業実態調査結果概要/日本自動車整備振興会連合会)
ここ10年以上、他職種では平均収入が横這い、もしくは下降するケースが多々見られる中、自動車整備士の平均収入はアップ中です。整備士業界の中では待遇がいいと言われるカーディーラーも、それ以外の整備工場も同じく、6年間で20万円以上平均年収が上昇しています。
今後も整備士の需要は伸びることが予想されるため、まだまだ平均年収アップが期待できますね。
整備士需要は増加の見込み
自動車整備士は現時点でも不足が問題とされている上、平均年齢もどんどん上昇しており、20代のみならず30代、40代の整備士の需要が伸びています。
車は個人で使う以外にも物流を担うインフラとしても機能しており、車がなくならない以上、今後自動車整備が不要になることはほとんどありえないと言えるでしょう。今のうちに自動車整備士としての経験を積んでおけば、今後よりよい職場に転職しやすくなる可能性は高いです。
自分に合った職場を探すためには?
自動車整備士が働く場所はディーラー・民間工場等様々です。給与や残業時間、取り扱い車種などは職場によって様々なので、自分が希望する条件を書き出し、該当する求人を探す必要があります。
現在、自動車整備士や売り手市場。求人は常にインターネット等様々な媒体に掲載されているので、転職意思が決まっていなくても、求人を調べ、どんな条件の求人が出ているか見てみるのも手かもしれません。今よりいい条件の求人が出ている可能性は十分にあります。
エージェントを賢く利用しよう!
転職したいけれど、履歴書を何枚も書いて、時間の調整をして…忙しい中転職活動を行うのは、時間的・精神的に厳しいものです。
そんなとき、代わりに求人を探してくれ、各種交渉を行ってくれる転職エージェントを利用するのも一つの手です。
エージェントは様々な種類がありますが、基本的にエージェントに履歴書や状況等を共有しておけば、複数の企業に共有してくれる場合が多いので、二度手間が防げます。履歴書作成や面接の対策等のフォローもしてくれるため、初めての転職であっても安心です。
自動車整備士専門の転職エージェント等も存在しているので、登録してみるのも手かもしれません。
最後に
以上、自動車整備士の苦労から、良い面・悪い面についてご紹介しました。この記事を読まれた方は、1級自動車整備士資格の難易度や合格率は?受験資格も解説!も一読することをおすすめします。
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