板金塗装という職業の業務内容はいったいどのようなものなのでしょうか?仕事に必要な資格や自動車整備士との違いを解説したいと思います!
板金塗装とは?
板金塗装とは、損傷(キズ)を受けた自動車の外装パーツを「板金作業」と「塗装作業」で修理、修復をする作業のことです。
事故を起こしたとにできた傷や凹みはもちろんのこと、自動車の外装は月日が流れることによって塗装が剥がれ錆が出来たり、飛び石や砂などで小さな傷が原因で劣化が始まることもあります。
また経年劣化で色褪せしてしまったり、雰囲気を変えるために「車体すべてを全塗装する」といったこともあります。
そういった自動車の損傷を修理したり、塗装したりするのが板金塗装屋さんの仕事になります!
板金塗装の仕事に必要な資格はある?
板金塗装のお仕事をするにあたって必須となる資格はありません!自動車整備士との大きな違いの一つだといえます。
しかし、自動車整備士と同様に持っていればお仕事に活かせる資格もいくつかあります。
溶接技能士
溶接技能士は国家資格であり、いくつか種類があります。
手法や利用素材により資格があり、「アーク溶接作業者」「ガス溶接技能者」「アルミニウム溶接技能者」「ボイラー溶接士」などがあります。
溶接技能士のうち「ガス溶接」「アーク溶接」は板金作業において取得優先度の高い資格となります。
溶接、溶断等の作業は大きな穴を埋めるための素材加工から穴埋めの溶接等で頻繁に実施することになります。
そのため、溶接技能士の資格を持っておくことは板金作業にとって大変有用です。
溶接技能士の詳細についてはこちらもご覧ください!
アーク溶接に必要な資格とは?種類や難易度について解説!
ガス溶接の業務手順は?資格の種類やメリット・デメリットもご紹介!
塗装技能士
塗装技能士についても溶接技能士と同様に国家資格となります。
こちらにも作業内容により試験が4つ「木工塗装作業」、「建築塗装作業」、「金属塗装作業」、「噴霧塗装作業」、「鋼橋塗装作業」、等級は1級・2級・3級(実技試験は1級・2級)があります。
このうち自動車の塗装作業に有用な資格は鋼板等の作業に関係する「金属塗装作業」となります。
有機溶剤作業主任者
有機溶剤作業主任者とは作業主任者の国家資格となります。
有機溶剤とは他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物のことで、有名なところでは「シンナー」、「水」や「アルコール」も実は有機溶剤となります!
水を除いた有機溶剤は「とても燃えやすい」「蒸発(揮発)した際に毒性の強い蒸気(大量吸引時に意識喪失、神経毒性や発がん性を併せ持っている)を出す」など取り扱いには大変な危険を伴います。
これらの取り扱いの難しい有機溶剤を作業に利用するため、現場の指揮・監督を行う資格が「有機溶剤作業主任者」となります。
塗装業以外にも、溶剤を扱うクリーニング業や燃料タンク等の製造業、溶剤自体を扱う工場などこの資格が必要な職場、職種は幅広くあります。
危険物取扱者
危険物取扱者とはその名の通り、危険物の取扱が可能になる国家資格です。
分類として「丙種」「乙種」「甲種」があり、「乙種」は対象危険物によりさらに第1類~第6類まで分かれます。「甲種」はすべての危険物を取扱ができる上位資格です。
上記のうち「乙種の該当する類」「甲種」の有資格者が作業へ立ち会うことにより、無資格のものでも危険物を取り扱うことができます。
板金塗装で有用な資格は「乙種の第4類」です。
第4類では引火しやすい液体(車で利用するガソリンを含む)を取り扱うことができますので、車を扱う業種ではどこでも必要になる資格ですので持っていて損はありません!
危険物取扱者の資格については次の記事もご覧ください!
危険物取扱者は転職に有利?甲種・乙種・丙種の違いやおすすめ職種も紹介!
これらの資格を持っていることで出来る作業の種類や幅が広がり、自身のスキルアップや年収アップにも繋がるかもしれませんね!
自動車整備士との違いについて
自動車整備士と板金塗装の違いですが大きく分けて2つあります。
資格について
まず1つめが資格です。
板金塗装については前項でもあった通りで必須な資格はありませんが、自動車整備士になるためには、自動車整備士資格が必要となります。
ただし、板金塗装でも車体の分解整備をすることがありますので、2級以上の自動車整備士資格を取得しておくと良いですね!
2級整備士資格については以下の記事もご覧ください!
2級自動車整備士資格とは?難易度や合格率・受験資格も解説!
作業内容について
どちらの職業も自動車を対象に作業することには変わりありませんが、作業部位、作業内容に違いがあります。
・板金塗装については主に車のドアやボンネットなどのキズやへこみ、劣化についての修復・塗装を担当します。
・整備士については自動車のエンジンやタイヤ、ライトなのど電子制御系などの内部についての整備・点検を担当します。
上記の通り、大まかに外から「見える部分」と「見えない部分」で分かれているようなイメージです。
最後に
以上、板金塗装に必要な資格は?自動車整備士との違いについてご紹介しました。この記事を読まれた方は、自動車整備士の仕事内容って?求められるスキルについても解説!も一読することをおすすめします。
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