結論から言いますと、女性でも自動車整備士になることは可能です。どうしても男性社会のイメージが付きまとう自動車整備業界ですが、近年は女性整備士の活躍も非常に目立ってきています。
女性整備士の割合や気になる給与面など、この記事で一つずつ解説していきます。
女性の自動車整備士はいる?
男性社会のイメージが強い自動車整備業界。具体的に女性整備士はどれくらいいるの?データを解説していきます。
女性の自動車整備士の割合は?
現実として、女性整備士の数はまだまだ少ないです。現在、自動車整備士の数は338438人というデータがあります。その中で女性整備士は10605人です。女性整備士の割合は全体の3.1%と通常の職場より非常に少ない状態です。
しかしながら、全国に1万人を超える女性整備士がいると言われると意外と多く感じるのではないでしょうか?お近くの整備工場でも、実は女性整備士が活躍しているかもしれません。
(引用:自動車分解整備実態調査結果概要/平成30年度データより)
女性自動車整備士は増加中?
女性の自動車整備士は増加中という話を聞いたことがある方も多いかと思います。実際のところはどうなのでしょうか。ここでは具体的な数字の推移と共に見ていきましょう。
自動車整備士数 | 女性整備士数 | 女性の割合 | |
平成26年度 | 342486人 | 9527人 | 2.8% |
平成28年度 | 334655人 | 10935人 | 3.3% |
平成30年度 | 338438人 | 10605人 | 3.1% |
(引用:自動車分解整備実態調査結果概要)
上記の表を見てもわかるように、女性の自動車整備士はうなぎ上りに増加中!というわけではありません。細かな上下はあれど、実質的には女性の自動車整備士数は1万人前後を横這いの状況です。
ただし、平成26年以前には女性の自動車整備士数が何人かという調査すらされていなかったので、長いスパンで見ると増加している故に、調査され始めたと言えるでしょう。今後女性の自動車整備士の知名度が上がっていけば、もっと数が増えていく可能性は十分にあります。
女性が自動車整備士になるためには?
ここでは、実際に女性が自動車整備士になるためにはどういう点に気を付けるべきなのか、待遇に男女差はあるのかを解説していきます。
職場選びの際に気を付けること
女性が自動車整備士という職業に就く際に気を付けたい事は多々ありますが、まず一つ目はトイレです。
女性自動車整備士を採用したことがない企業だと、そもそも女性用トイレが無かったり、あっても非常に遠く、行くのに時間がかかるケースもあります。これは採用求人ではわからない部分ですので、面接の際に自分で確認するなどして調べておく必要があります。
また、待遇面で調べておいた方がいいのは、産休・育休です。通常の企業ではかなり浸透してきましたが、やはり女性が働くこと自体が稀な自動車整備業界では、制度があるか、使えるかを求人票や面接で確認しておく必要があるでしょう。
女性自動車整備士の給与
同じ仕事をしていても、給与に男女差があるという現実は、悲しいながらまだまだあります。自動車整備士でも給与に男女差があるのか?データを元に詳しく見ていきます。
男性平均月収 | 女性平均月収 | |
自動車整備士 | 29.1万円 | 23.8万円 |
全職種 | 43万円 | 26.7万円 |
(引用:自動車分解整備実態調査結果概要/独立行政法人労働政策研究・研修機構
平成27年賃金構造基本統計調査/厚生労働省)
全職種の平均月収に比べ、男性整備士の平均月収が大きく下回ることは気になるところですが、女性整備士のデータを見ると悪くありません。
他職種に比べ、自動車整備士という仕事は、男女の賃金差が少ない職種ということがわかりました。
力がいらない整備作業は増加中!
近年、自動車に使われる技術が発達するにつれて、電子制御装置の整備など従来の強い力が必要な整備とは異なる整備の需要が増加しています。
また、従来の整備作業に関しても、ツールや設備の発達により、身体の負担を軽減する工夫がしやすくなってきています。男性であっても力の弱い人であったり、力が強い人でも加齢によってできない作業が増えることもありますので、性別や年齢関係なく仕事ができるようになっているのはいいことですね。
女性自動車整備士か活躍している実例
とはいっても、実際に女性整備士は活躍できるのでしょうか?この章では実例を交えて紹介していきます。
全国大会でも女性整備士が躍進中
整備を行うには最新の技術や多岐にわたる知識が必要なメルセデス・ベンツ。そんなメルセデス・ベンツを整備するメカニックの中で優秀なのは誰なのか?それを決定する全国大会にて、3名の女性が上位入賞を果たしました。
うち一人の女性は、全国大会から世界大会にもコマを進め、3位という実績を残しています。このように、女性整備士の活躍の場は増えてきており、かつメーカー側もそれを後押しする姿勢が見られます。女性だからといって整備士として活躍できないことはありません。
(引用:テックマスターズ ジャパン 2016大会レポート/メルセデス・ベンツ)
女性整備士だからこそできる業務
自動車整備士は、仕事に慣れてくるとお客様対応も兼務して行うケースが増えてきます。自動車整備工場に車を持ち込まれるお客様の中には勿論女性も多くいるので、その場合女性整備士だと信頼されやすいというケースが多くあります。お客様が車を整備工場に持ち込まれる際は不安な気持ちを抱えている事が多いので、信頼されやすいというのは大きな強みです。
また、自動車整備業界ではインセンティブを導入している会社も多くあるので、お客様と信頼を築きやすいということは給与にも直結します。
助成金がもらえる!女性整備士の活躍を推進しよう
女性も働きやすい職場を作っていくにあたって、設備投資など費用が必要になることがあるでしょう。そんなときには、自治体などから補助が受け取れる可能性があります。
例えば、両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)は、女性活躍推進方に基づきいて自社の女性の活躍に関する数値目標、数値目標の達成に向けた取組内容(取組目標)などを盛り込んだ行動計画を定め、計画に沿った取組みを実施し取組目標もしくは数値目標を達成した事業主に対して助成金を支給するものです。
補助を受けられるのは中小企業のみですが、女性が使いやすい設備や機器の導入や、新しく女性を雇用する現場への更衣室・トイレなどの環境整備にも使用できます。
最後に
以上、女性でも自動車整備士になれる?最新の情報を解説!についてご紹介しました。この記事を読まれた方は、1級自動車整備士資格の難易度や合格率は?受験資格も解説!も一読することをおすすめします。
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