電気自動車にはいくつか種類があるのをご存じですか?それぞれの特徴と違いについてと電気自動車を整備するのに資格についても解説していきます。
電気自動車とは?
電気自動車はその名の通り、「電気を利用して走行する車」のことです。
実は電気自動車自体は1800年代前半には登場しており、1900年代では牛乳配達や屋内フォークリフト等の移動量が少ない車種では実際に使用されていたそうです。
しかしながら、バッテリー性能が良くないために今のような一般利用されることはほとんどありませんでした。
現代の電気自動車で利用しているバッテリーは携帯電話やノートPCでも使われている軽量で大容量の「リチウムイオン電池」を利用しています。
電気自動車の種類
なんと、現在主流の電気自動車は4種類もあります!
それぞれの電気自動車について通常のガソリン車との比較も交えて解説していきます。
EV(Electric Vehicle)
EVは[Electric Vehicle]の略称で、そのまま「電気自動車」のことです。
バッテリーに電気を充電し、その電気でモーターを動かして走ります。
通常のガソリン車や次項に出てくるハイブリッド車と違って、完全に電気のみのため大気汚染の要因である二酸化炭素等の有害物質を排出しません!
また、エンジン自体が載っていないためガソリン車と比べて「走行時の騒音、振動が少ない」、「部品数が少なく部品の交換が容易でメンテナンス時のコストが抑えられる」などのメリットが存在します!
しかしながら、走行距離がバッテリー容量に依存し、「容量が大きいものは充電に時間がかかる」「外気が低温、高温時にはバッテリーの消耗が早くなる」など電気自動車だからこそのデメリットも存在します。
HV(Hybrid Vehicle)
HVは[Hybrid Vehicle]の略称で、「ハイブリッド車」のことです。よく聞きますね!
ハイブリッド車とは2つ以上の動力源を持つ自動車で、基本的には「エンジン」「モーター」2つの動力源を持っています。
バッテリーへの充電は外部からではなく、エンジンでの発電やブレーキ、坂を下りるときの運動エネルギーを電気エネルギーとして蓄えます。
さらにハイブリッド車は「パラレル方式」「シリーズ方式」「スプリット方式」の3つに分類されます!
「パラレル方式」
発進時はモーターを使用、発進後の走行には通常のエンジンを利用するといったように、エンジンの苦手部分をモーターで駆動させる方式です。
「シリーズ方式」
エンジンを利用して発電し、その電気を利用しモーターで走行する方式です。また、エンジン燃料が切れた場合でも車種やバッテリー残量によってはモーターで走行することも可能です。
またエンジンでの発電機能を備えているため、なんとアウトドアや災害時に電子レンジなどの家電を利用できるタイプも多いです!
「スプリット方式」
上記2つを取り入れたいいとこ取りな方式になります。エンジンの苦手部分はモーターで駆動したり、エンジンで発電しモーター(もちろんエンジン)でも走行可能です。
一般的には「ストロングハイブリッド」と呼ばれます。
PHV/PHEV(Plug -in Hybrid Vehicle)
PHV/PHEVは[Plug -in Hybrid Vehicle]の略称で、「プラグイン・ハイブリッド車」のことです。上記で説明したHV車へ「外部から充電できる機能」を加えたものです。
外部からの充電機能を備えているため、自宅での充電も可能であり、HV車よりも大きなバッテリーを搭載しているためモーターでの航行距離も長いです!
さらにEV車と違い、通常のエンジンも搭載しているため充電切れの際には、ガソリン車と同様の走行に切り替えることも可能になっています。
FCV(Fuel Cell Vehicle)
FCVは[Fuel Cell Vehicle]の略称で、「燃料電池車」のことです。
EV車と同様にモーターのみで走行しているのでエンジンは搭載されていません。
HV車のシリーズ方式と同様に車の中で発電をしながらモーターを回しています。
FCV車は「水素と酸素の化学反応で発電しモーターを回している」といった大きな特徴があります。この化学反応では電気エネルギーと水のみが排出されるので大変環境にいいといわれています!
EV車はバッテリーの充電に時間がかかりますが、FCV車では水素が燃料となるため、通常のエンジン車と同様に数分程度で充填が完了するところも大きな違いです!
電気自動車の整備士資格について
電気自動車を整備するにあたって必要な資格ですが、電気装置部分自体は通常の2級自動車整備士でも整備可能です。
しかし電気装置のスペシャリストの証明である「自動車電気装置整備士」という国家資格があります!
この資格は自動車整備資格のうち、「特殊整備士」という分類にあります。(既存の1~3級とは違う資格になります)
また、令和2年度から「自動車電気装置整備士」の受験者数が約6倍と飛躍的に増えています!
(令和1年受験者数:53名 → 令和2年受験者数:311名)※【令和2年度第2回(第102回)自動車整備技能登録試験 – 「学科試験」の試験結果について】より
今後整備士にとって、「自動車電気装置整備士」という資格は重要になってくることでしょう。
最後に
以上、電気自動車の種類と違いと必要な整備士の資格についてご紹介しました。この記事を読まれた方は、自動車電気装置整備士とは?仕事内容や試験について解説!も一読することをおすすめします。
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